昨日のブログの続きです。
とても1回では書き切れず、連載型になってしまいましたが
引き続き読んでもらえると嬉しいです。
10月30日の木曜日。
前日のレコーディングの予定が無しになったところで、カズが取った手段とは、
Jacobに自宅で一人で勝手にボーカルをレコーディングさせるというものだった。
Jacobも過去にアメリカで自分のボーカルを録ったことがあるし、
ソフトの使い方は予め説明しないといけないだろうけど、まぁ大丈夫だろうと俺も思った。
そんな中、俺は朝から表参道で仕事の打ち合わせ。
なんかちょっと気分が悪い気がしたけど、疲労のせいだと思って特に気にしない。
打ち合わせが終わって渋谷に移動したところでJacobから着信。
無駄に怒っている。こういう無駄な怒りがアメリカ人の悪いところだ。
「チキショウ、カズにどうなってんのか聞いてくれ。彼はレコーディングの準備を完璧にして、あとはRECボタンを押すだけの状態にしてくれるといったのに、
そもそもパソコンの電源が入ってない!そして俺はファッキンMACは使えないんだぞ!」と。
俺はジェイコブに度々こう言いたくなる。
「ググれカス!」
でも言わない。
ちなみに、ジェイコブはカスではない。
ジェイコブをカスと言って良いのは俺だけだ。
そして俺はジェイコブの怒りを落ち着かせる方法を熟知している自信がある。
そのときもそのテクニックを駆使して冷静にさせて会話ができたものの、
その後やっぱりソフトの問題が色々あってカズに怒りのメッセージを送り続けていた模様。
カズから「ジェイコブが、もうやらないって言ってるから、なんとかして」というメールをもらって、
もう一回電話しようかと思ったところでジェイコブからもメール
「ボーカル録り終わって共有したから確認よろ」
俺は心の中でガッツポーズ。
諦めなかったジェイコブ偉い。アメリカ人にしては偉い。
早速ボーカルを確認して特に問題なかったのでOKを出した。
よかった。これでMVはなんとかなりそうだ。
その瞬間、俺に猛烈な寒気と吐き気が襲いかかってきた。
この感覚はヤバめの風邪。
即効自宅に帰ろうとするも、電車に乗った頃には意識が朦朧としていて自分がどこにいるのかよくわからない状態。
なんとか自宅に辿りつき、そのまま寝込む。
熱を測ったらこれ。
ヤバいと思ったけど、同時にこれなら大丈夫!とも思った。
MV撮影開始まであと36時間あったから。
それだけ時間があれば絶対治せるはず。
でも人生で一度も38度を超えたことがなかった身としてはなかなかきつかった。
奥さんの理奈の看病のおかげで翌朝には37度台に熱も下がった。
ちなみに理奈も数日前から腹痛で体調不良が続いていて、基本的に二人とも寝込んでいた。
金曜日は自宅で安静にしつつも次の日のMV撮影の最終確認を諸々行った。
新曲のミックスもカズから上がってきて良い感じになっていた。
カズは仕事ができる男だ。安心して翌日に向けて眠った。
そしてMV撮影当日。
熱は36.9くらい。俺はもう大丈夫だと確信した。
朝の10時に中野でSHAMAN GRAPHIXのYtaroと集合。
近くの照明レンタル業者に立ち寄って必要な機材をピックアップ。
その後、渋谷のリハスタに移動。
今回は30畳のリハスタを使ってMVを撮影した。
でも、リハスタには見えないように工夫をした。
リハスタを選んだ理由は単純にコストが安いから。
Death I Amは結成当初からいかに低予算で良いものが作れるかにチャレンジしてきた。
多分アルバムの制作費も普通のバンドの10分の1くらいしかかかってない。
今回も同じDIY精神で挑んだ。
でもSHAMAN GRAPHIXが絡んでいるのでもちろん仕上がりはプロレベルになること間違いない。
この日撮影してくれたYtaroと長坂に感謝感謝感謝感謝。
撮影のスケジュールを10分単位で細かく計算していて、
最初の数時間は準備とテスト撮影に当てていたのだけど、
Jacobはアメリカ人なのでこんなことを言いだした。
「もうテストばっかりやってないで、本番やろうぜ。もう疲れちまうよ。」
俺は今回の滞在の中で一番カチンと来た。
こういう場では黙ってプロの指示に従いやがれ!!!
という内容の話をし、落ち着き、その後ジェイコブは一日お利口さんになっていました。
そんなちょっとピリっとした瞬間もありつつも、
元Death I Amのドラマーの松倉さんが奥さんと子供を連れて見に来てくれたりして、
美味しい差し入れもいっぱい頂いて、良い雰囲気の現場になりました。
ところどころで撮影した映像をチェックしたのですが、
とても良い感じに仕上がりそうです。
特にJacobの表情がかなりかっこいい。いいぞJacob。
表情と言えば、ドラムのカズの表情を出すのにちょっと苦労しました。
でも良い感じのが撮れたと思います。
そこのスタジオで9時間ほど撮影した後、今度は渋谷にあるまた別のスタジオに移動。
そしてその間にちょっと時間ができたので沖縄料理をみんなで食べにいくことに。
初めてたべる沖縄料理にJacobとZethも興味津々。
美味しそうに食べていましたが、取り皿には口に合わなかったものをたくさん残していました。
2個所目のロケではグリーンスクリーンを使った撮影。
こちらはBロールとして使う映像になります。
特に問題なくスムーズに終了。
ここのパートの映像は僕の中でイメージが出来上がっていて、凄くサイケデリックでかっこいいものになると思っています。
その後、Ytaroの車を借りて俺と理奈は自宅まで帰り、到着したのが深夜2時頃。
翌日は渋谷GARRETでのライブイベント「LOUD AS FUCK」を控えている。
そして朝の7時頃に大阪から来る巨人大虐殺のキヨさんと、キヨさんの彼女さんがウチによって
シャワーと仮眠をとって、そのあと俺と理奈とキヨさんと彼女さんの4人で会場に向かうという絶対楽しくなるプラン。
いよいよDeath I Amツアー第9回目のラストスパートです。
つづく。